男性にとって不妊治療の人工授精とは?

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人工授精という不妊治療

妊活中の女性:トモコ

(ノ≧▽≦)ノ

「不妊治療の人工授精って意外と多くの人に誤解されているよね」

妊活中の男性:ジロー

(‘・c_・`)ゞ

「例えば、どんな点が誤解されているの?」

妊活中の女性:トモコ

(ノ≧▽≦)ノ

「思っている程に人工的じゃないことや、妊娠率の考え方」

妊活中の男性:ジロー

(‘・c_・`)ゞ

「確かに言われればその2点は勘違いしやすいね」

人工授精ってどんな不妊治療なの?

女性の膣

 

人工授精というくらいなので、人の手がたくさん加わった不妊治療だと想像している人も多いかもしれませんが、ほとんど自然妊娠と同じであまり変わりません。

 

別名『AIH』と言われます。
(Artificial Insemination with Husband's semen)

 

少しでも、多くの精子が卵管に届き受精を手助けする不妊治療の方法が人工授精です。

 

 

そもそも、受精ってどうやってできるの?

 

成人した大人なら当たり前に知っている知識だと思うかもしれませんが、人工授精は自然妊娠と何が違うのかキチンと理解するためにも正しい知識を持っておきましょう。

 

受精までの道のり:ステップ1

 

卵巣から飛び出した卵子が卵管の先端から吸い込まれまれ、卵管の中に取り込まれた卵子は子宮の卵管膨大部まで運ばれていきます。

 

受精までの道のり:ステップ2

 

射精された精子が膣と子宮頚部を通って子宮腔へ達します。

 

受精までの道のり:ステップ3

 

子宮腔に辿り着くまでにも大量の精子は脱落していくのですが更に精子の道のりは続き、卵管を通り卵子が待つ卵管膨大部まで生き残れるのはほんの一部です。

 

受精までの道のり:ステップ4

 

そのような過酷の生存競争を経て卵子の元に辿り着いた精子ですが、その中でたった1つの精子が卵子の中に入ることを受精したことになります。

 

 

 

不妊治療の進め方として、細い専用のカテーテルで子宮内に厳選した精子を送りむので、ステップ2までを一気に省略したのが人工授精です。

 

 

人工授精における男性と女性の役割分担

 

それでは、人工授精に取り組む際に男性と女性の役割をそれぞれ見ていきましょう。

 

人工授精における男性の役割

 

男性はとても簡単です。
マスターベーションで精子を採取するだけ、以上です。

 

人工授精における女性の役割

 

一方の女性は多岐にわたります。
1周期の間に何度も通院する必要があります。

 

排卵誘発剤の薬を飲むことや注射をしないといけません。
しかも、排卵を予測するために『超音波検査』『血液検査』『尿検査』などを受けることになります。

 

 

採精された精子は処理が施される

 

昔は、射精された精子をそのまま子宮の中に注入していました。

 

しかし、その場合の妊娠率は低くなってしまうのと、細菌などが混ざっている場合は感染する危険性もあったので、今では必ず洗浄されます。

 

この精子が処理される工程は細菌や白血球などの異物を除去するだけの目的ではありません。

 

もう1つの目的は、運動精子の濃度を上げることです。

 

パーコール法

 

パーコール法とは攪拌密度勾配法かくはんみつどこうばいほうとも言われます。

 

採精した精液を精子調整用試薬に重ね遠心分離機にかけます。

 

すると、死滅した精子や白血球などが取り除かれ、運動率がいい精子だけが残ります。

 

スイムアップ法

 

採精した精液に培養液を重ね一定時間おきます。

 

やがて、元気がいい精子だけが上の方に泳いでくる性質を利用した方法です。


どのような不妊症の夫婦が人工授精するの?

女医に不妊治療の相談をする夫婦

 

タイミング法の次に行うのが人口授精ですが、自然妊娠とさほど変わらないことに予想外の印象だった人もいるのではないでしょうか?

 

この様にほとんど自然妊娠と変わらない人工授精ですが、どのような不妊の原因がある時に行われるのか見ていきましょう。

 

 

男性側に不妊の原因がある場合の人工授精

 

男性側に不妊の原因がある。

 

 

以上の場合に人工授精が行われます。

 

精子の質に不妊の原因がみられる、重度のOAT症候群の場合は体外受精顕微授精に移ります。

 

不妊治療として人工授精体外受精になるかOAT症候群の判断基準となる目安は以下の数値です。

 

  • 精子濃度 1千 (10,000,000)/ml
  • 精子運動率 40%未満

 

 

女性側に不妊の原因がある場合の人工授精

 

また、女性側に不妊の原因がある場合も人工授精は行われます。

 

女性側に不妊の原因がある。

 

  • 子宮頸管因子
  • 子宮内膜症
  • 排卵障害

 

以上のような原因が考えられますが、女性が高齢であることを考えて人工授精するケースもあります。

 

 

男性側にも女性側にも不妊の原因がない場合の人工授精

 

注意してほしいのは、男性側と女性側どちらにも不妊の原因がある場合ではありません。

 

どちらにも、問題がないのに人工授精するケースはヒューナーテストをして複数回にわたって不良となった場合です。


人工授精の理想と現実

卵子にむかう精子

 

人工授精で妊娠にできる確率は10〜20%と言われており、思ったより低いと感じる人は多いのではないでしょうか?

 

しかも、この妊娠率は累積妊娠率であり1回の妊娠率ではありません。

 

人工授精を続けるなら5回までが目安

 

これは、人工授精によって妊娠する確率を単純にたしてはいけません。

 

つまり、
「妊娠率を20%と考えて5回すれば100%になる」
この様な計算式ではありません。

 

あくまで、人工授精という不妊治療を使って妊娠するトータルの確率が約20%ということです。

 

5回目以降何度も人工授精を続けても、20%の妊娠率がほぼ横ばいと考えられています。

 

 

人工授精にかかる費用

 

人工授精にかかる費用はそこまで高額ではありません。

 

もちろん、施設によって異なりますが1回の人工授精に対して1万円〜3万円です。

 

保険適用外になるので、全額自己負担になりますが自治体によっては助成金制度もあるので調べてみるといいでしょう。


凍結した精子は人工授精に有効?

受精卵

 

男性の不妊の原因がOAT症候群でなく精子の質に問題ない場合、凍結させた精子を人工授精に使うことは有効といえます。

 

OAT症候群である男性の精子は凍結させた後に融解すると、精子の頭部であるアクロソームにある膜が壊れてしまいます。

 

この部分は卵子を覆っている透明帯という部分に入り込む時に必要な酵素を持っているので、アクロソームにある膜が壊れていては受精ができません。

 

例え、乏精子症で精子の数が少ないからと言って、2〜3回の精子をためてから人工授精をしても意味がありません。

 

OAT症候群の男性でも人工授精は有効な不妊治療ですが、その場合は凍結させていない新鮮な精子を使うことが必要です。


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